第12章 これからも
ゆきside
潤が死んで1ヶ月。
潤からの手紙を読み返していた。
ゆき:「…ッ…会いたいよッ…潤ッ…」
でも、潤はこんなこと
望んでないんだよね。
そろそろ、決めないと、
雅紀くんにも悪いよね。
ゆき:「…潤。私、決めたよ。」
潤の写真をみて呟いた。
思いきって、雅紀くんに電話をかける。
雅:『もしもし?ゆきちゃん?』
ゆき:「…雅紀くん、今から、話したいことあるんだけど、時間ある?」
雅:『…うん。あるよ。』
ゆき:「…じゃぁ、病院の隣のカフェに来て?」
雅:『…うん。分かった。』
カフェに着くと、
雅紀くんはもう来ていた。
雅:「あ!ゆきちゃん!」
ゆき:「雅紀くん…」
雅:「ちょうど、病院寄ってたからさ。話って、あの事だよね?」
ゆき:「私、雅紀くんと付き合う。それが、彼の最期の願いだったし。」
雅:「…ほんと?」
ゆき:「でも、まだ、潤のこと好きだし。雅紀くんのことは、まだ、よく分からないし、好きじゃない。でも、これから、少しずつ好きになりたいと思う。勝手でごめん。」
雅:「…ううん。それでいいんだよ。最初は、潤の代わりの彼氏でいいんだ。」
ゆき:「ありがとう。雅紀くん。」
雅:「…これから、よろしくね?」
そう言って、ニッコリ笑った。
その笑顔が、
大好きな潤の笑顔と重なった。