第4章 おまけ1
~帰り際、教室にて~
あ、そういえば。
あたしは、皆に聞いてみた。
「ね~ぇ、このクラス、もう一人いなかったっけ~?」
途端、先生含め皆が笑い出した。
「何言ってんの?これで全員でしょ?」
鉄華が苦しそうに言う。
「そやそや。このクラスは六人であっとるで」
先生も言う。
「え~?でも、なんか両生類の人がいたような…」(タ)
「両生類?そんな気持ち悪いの、居て欲しくないよ」
「俺もちょっと無理だわ」
かぐやの言葉に、飛が賛同する。
その時、あたしらの目の前を何かがチョロチョロっと横切った。
「なんだ今の?……待てよ、どっかで見たことあるような…」
「おいおい、白まで何言ってんだよ。両生類なんていたら、俺学校来てねぇよ」
遅刻常習犯が何言ってんだよ!
と思ったが、あえてつっこまなかった。
「皆、そんな事言って良いの?もしこの場にいたら、明日どうなるか…」(タ)
「いーのいーの!元々居ないんだし!」
かぐやが笑顔で言う。
「せやせや。ほれ、さっさと帰りぃ。父ちゃんと母ちゃんが心配しとるで?」
先生は、どうしても生徒を早く帰らせたいらしい。
仕方ないので、先生にさよならを言いながら、それぞれの方向に帰っていった。
少し後、誰も居ないはずの教室の机の中から、のそのそと何かが這い出てきた。
その何かは人型となり、ブツブツと何かを呟いていた。
「………今にみてろ……忘れやがって………」
お気付きの方もいるかもしれない。
そう、この何かは、六人に散々言われていた両生類だった──