• テキストサイズ

妖怪日記

第4章 おまけ1



~帰り際、教室にて~

あ、そういえば。

あたしは、皆に聞いてみた。

「ね~ぇ、このクラス、もう一人いなかったっけ~?」

途端、先生含め皆が笑い出した。

「何言ってんの?これで全員でしょ?」

鉄華が苦しそうに言う。

「そやそや。このクラスは六人であっとるで」

先生も言う。

「え~?でも、なんか両生類の人がいたような…」(タ)

「両生類?そんな気持ち悪いの、居て欲しくないよ」

「俺もちょっと無理だわ」

かぐやの言葉に、飛が賛同する。
その時、あたしらの目の前を何かがチョロチョロっと横切った。

「なんだ今の?……待てよ、どっかで見たことあるような…」

「おいおい、白まで何言ってんだよ。両生類なんていたら、俺学校来てねぇよ」

遅刻常習犯が何言ってんだよ!
と思ったが、あえてつっこまなかった。

「皆、そんな事言って良いの?もしこの場にいたら、明日どうなるか…」(タ)

「いーのいーの!元々居ないんだし!」

かぐやが笑顔で言う。

「せやせや。ほれ、さっさと帰りぃ。父ちゃんと母ちゃんが心配しとるで?」

先生は、どうしても生徒を早く帰らせたいらしい。
仕方ないので、先生にさよならを言いながら、それぞれの方向に帰っていった。



少し後、誰も居ないはずの教室の机の中から、のそのそと何かが這い出てきた。
その何かは人型となり、ブツブツと何かを呟いていた。

「………今にみてろ……忘れやがって………」

お気付きの方もいるかもしれない。
そう、この何かは、六人に散々言われていた両生類だった──


/ 35ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp