第4章 責任とらせていただきます!
無理やり顔を上げさせて目を合わせるとぶわあっとが真っ赤になった。ど うしたんだこいつ。赤くなってもイケメンぶりは揺るがねえなちくしょう。
「……だ、からな、」
「うん」
「お前に……責任取って……」
「う、うん」
「付き合ってもらおうかと、思ったんだけど」
「……うん?」
うん。ちょっと待て。
「何でだ!? どうしたらそこに至るんだ!」
「だっだからいいっつったんだよ! もう帰れよ馬鹿! 俺も帰っから!」
「いや待て帰るな! まだ話は終わってねえ!」
「もういいから、ッいづ」
「だっ大丈夫か!?」
立とうとして身体の痛みに呻いたを慌てて支え、腰を擦ってやる。改めてとてつもない罪悪感に襲われた。昨日の自分を殴りたい。
「……さっきの、本気か?」
「知んね……ぱって浮かんだのがあれだったから……」
「そんなに悦かったのか?」
スパァンと頭をひっぱたかれた。
「知らねえっつってんだろ!?」
「顔赤いぞ!」
「っせえよ!」
お前実は男が好きだったのかと聞こうとしてやめた。これ以上怒らせても仕方ねえ。
「と……りあえずだな。あれだ、お前が責任取って付き合えって言うなら俺は 付き合う。いや付き合わさせていただく!」
何でもするって決めたんだ、と付き合うくらいわけないさ! なんだったら一生幸せにしてやる!
と言うと、は目を丸くしてから、吹き出した。
「プロポーズかよ」
「うるせえ。つか、どうなんだ? 本気で付き合うか?」
「……本気かあ」
そうな、とが笑う。 その目が少し嬉しそうに輝いているのを俺は見たような気がした。
「一回くらい本気で付き合ってみるのも、悪くねえかもな」
「……お前それ今まで一回も本気で付き合ったことないってことか?」
「そうな」
「最低だなお前! 節操なし! ヤリチン!」
「酔って男襲う奴に言われたくねえし!」
最後のほうはお互いすっかりいつも通りに戻っていたのが不思議だ。
しかし約束は約束、俺は今日から晴れて同僚のと恋人同士という関係になったのだった。
「と、とりあえず大切にすっから」
「とりあえずかよ」
*つづく*