第8章 虹と緑に出逢う
緑間side
赤司が連れてきたあの女、実に気に食わないのだよ
あの女のせいで部員共が浮かれて、全く練習に身が入っていないのだよ‼︎‼︎
だから俺は反対だったのだよ
これでは人事が尽くせないのだよ
練習が終わるとあの女が俺に話しかけてきた
『みっ、緑間君っっっっ‼︎』
「何か用か?」
『あ、あの良かったらテーピング私が巻くから貸して?』
「その必要はない、これぐらい自分でできるのだよ。」
(馬鹿め、これぐらい自分でできるのだよ)
『そうだよね…ごめん……。』
明らかに落胆を見せるこいつに俺は
「……だが断ればお前の仕事が無くなってしまうのであれば、巻かれてやらんこともないのだよ。」
と言ってしまった。
何故こんなことを言ってしまったのか…
解せぬ←
『‼︎‼︎ ありがとう‼︎ じゃあ、テーピング貸して?』
と言い、その女は俺が巻くよりも素早く丁寧に巻いていった
それから毎日テーピングしていることや爪の手入れをしていることなどを話した
『緑間君は凄いね、シュート練習も今日みたいにあんなにしてるの?』
緑「あれぐらい当たり前なのだよ。それが人事を尽くすということなのだよ」
『そっかぁ。でもシュートの打ち過ぎは肘や膝に負担が掛かるから、ほどほどにしてね?』
緑「自分の限界ぐらい分かっている。」
『さすが緑間君だね。でも少しでも不調があったら教えて?』
緑「分かったのだよ。」
『良かった…。私も人事を尽くすよ、緑間君とバスケ部のために‼︎』
と真っ直ぐ俺の目を見ていうこの女を不覚にも“美人だ…”などと思ってしまった
緑「フンッ/////」
『じゃあ、緑間君お疲れ様‼︎』
と言いこの女は他の部員のもとへ行った。
(まあ思っていたよりはマシな女だったのだよ。………。橙野友香か…。今度星座と血液型を聞くのだよ←)
赤「緑間。」
緑「赤司か…。どうした?」
赤「いや、いつもより機嫌が良さそうだと思ってね」
緑「……馬鹿め、いつも通りなのだよ。」
赤「そうか……。」
それ以上俺達は会話をすることもなく、同じ方向を見つめていた。
そこにはあの女が部員達をマッサージしている姿があった。