第19章 姫と刀使いの戦い
セリシアside
「あの…ですが、どうやって後ろに回ったのですか?確かに直前まで目の前にいたと思ったのですが…。」
カルさんの疑問は最もだと思う。
事実とはちょっと違うけど、多分本当に私が目の前にいたようにみえただろう。
「それが、私の出した技ですから。…教えられません、残念ながら。」
一応詳細を述べると、ぎりぎりまであの場に濃い気配を持って残り、瞬間的に存在を消して背後に回った。
それだけに見えて意外とキツイんだよね。
「…スノーファンタジア。雪の幻想ですか。」
そう呟くのはアイセさん。
「キユノらしい、技ですね。お綺麗な名前です。」
そう言うのはセーカさん。
…確かに、名前に限って言えばそれらしいかもね。
実際はただ気配をコントロールして殴ってるだけなんだけど。
「…貴重なお時間、ありがとうございました。」
「あっ、いえ!…私も、いろいろとためになりましたから。」
この戦いで、知ったことがある。
戦いに関することもそうでないことも。
…あとは、あの人と話して決めるだけだ。
「それでは私はこれで。」
あの人の元へ行こう。
私の大切な人、恋人。
ジャーファルの元へ。