第17章 キユノ王国一団
セリシアside
「頭の中いっぱいって顔してますよ?…もちろん、やりたければ剣術でも魔法でもやっていただいて構いませんが。」
私、はたからみてもわかるくらいダメな感じなのかな。
…ううん、きっとジャーファルだからわかるんだろうな。
「うん…ありがと。」
今は何もしたいと思えなかった。
それならそれでいっか。
とりあえず自分の部屋に帰ろうとした時。
「セリシア。」
既に背中を向けていたけど、呼ばれてジャーファルの方に振り返る。
すると急に頭を撫でられる。
…というかぽんぽんされる。
「あなたの人生はあなたのものです。…頑張り過ぎないで。私のことは、考えなくていいから。」
いろいろ衝撃だった。
頭ぽんぽんされたこともそうだし、でも何より言葉の内容がだ。
…もしかして?
この事知ってた…とか?
いや、そんなわけないよね。
せいぜい…予想していた、ってとこだろう。
「…ありがとう」
それしか言えない。
もちろん引き止めて欲しい気持ちはある。
…でも多分、それは自分の首をしめることに繋がるし、何よりジャーファルに悪い。
使ってくれた気を、大切にしなきゃ。