第59章 夜空に咲く、大輪の花
「……ほう。
太さがだいぶ足りねぇが、まぁ悪くはねぇな。」
「どの道チョコバナナでも
太さは足りないからな。
取り敢えず、凛が棒状のものを
咥えることに意味がある。」
それぞれの見解を聞き、凝視されながら、
フランクフルトを頬張っていると、
徐々に顔が熱くなってきた。
……完全に面白がられてる……
こんな様子の二人が、
団長と兵士長を務めているなんて想像できない。
一緒に生活する中で、
偉い肩書を持ったイメージができる場面も
勿論多々あったけど、
今は絶対、素のままのエルヴィンとリヴァイだ。
「……ねぇ。これ、ほんとに楽しい?
私のことからかってるだけでしょ?」
「からかってねぇよ。
こっちは至って真面目に
お前がそれを咥える姿を見て楽しんでる。」
「それもどうかと思うけどね……」
リヴァイの明瞭な語感に
呟くようにツッコミを入れると、
エルヴィンが小さく吹き出す声が耳に届いた。