第58章 浴衣の効果
「………で、
凛はどうするか決めたの?」
範司がそう問いかけた途端、
再び静かな空気が流れる。
「うん。……決めた。私、」
「おい、待て。」
決断したことを話そうとした瞬間、
リヴァイに声を遮られ、言葉を止めた。
「凛。
それは花火大会が終わった後に
聞いてもいいか?」
エルヴィンの声は優しく、穏やかだ。
「……お前の決断によって、
今日の花火大会が楽しめるかどうかが
決まるのは不本意だ。
そのことは花火が終わった後に話せ。」
リヴァイはエルヴィンの発言を
補足するように言うと、
とても小さなため息を吐いた。