第56章 範司と火口
「……まぁ、“ハンジ”だからな……
納得できないことではない。」
そっと口を開いたエルヴィンは、
小さく息を漏らす。
「“女だけじゃ満足できない”ってことは
同性愛者って訳でもねぇってことか。」
「そうだね。俗に言う、両性愛者。」
範司が即答すると
「ってことは、お前も既に食われてんのか?」
リヴァイは火口に視線を向け、
火口は瞬時に頬を紅潮させて、
リヴァイから視線を逸らした。
「うん。もう何度も食べたよ。」
「は、範司さん!!」
「別に隠すことないじゃん。」
範司は赤面しきって声を上げる火口の肩を
乱暴に叩く。