第56章 範司と火口
「俺たちも、
凛に新しい感情を貰ったからな。
礼を言いたいのは俺たちの方だ。」
エルヴィンはそう言って範司に視線を向け、
「……範司。
凛がこの世界に留まる選択をした時は、
これからも凛のことを
気にしてやってくれ。」
と、真摯な目で範司を見つめた。
「ああ、そうだね。
私も凛のことは大好きだから、
しつこく遊びに行くよ。」
範司がそう言い切った後、少しの沈黙が漂う。
火口がその沈黙の意味を察し、
範司に声を掛けようとした時
「……お前は凛に
気がある訳じゃねぇんだろ?」
と、リヴァイは少し怪訝そうな表情で
問いかけた。