第53章 ●奇襲と反撃の結果
「……ぬっるぬる。」
そう呟きながら、
粘着質に変化したお湯を手のひらで掬ってみる。
全身をローションに包まれる感触は、
不思議としか言いようがない。
ふと視線を前に向けると、
硬そうな筋肉に覆われた背中が目に入った。
「おい、いつまで俺を後ろに
向かせとくつもりだ。」
「リヴァイ、背筋すごいね。」
リヴァイの声に被せる様に言うと、
ローションで塗れた指先を
リヴァイの背中にそっと這わせる。
「……っ、おい。やめろ。」
「硬い。
どれだけ鍛えたらこうなるの?」
リヴァイの制止を無視し、
背筋に沿って指を滑らせた。
こんな綺麗に鍛え上げられた背中を見せられて、
何もしないでいるなんて選択肢は
用意できそうにない。
リヴァイの背中を見ているだけで、
若干気持ちが高揚してきて
もう片方の手をリヴァイのお腹に回した。