第43章 矛盾の追及
「……本当に、君には敵いそうにないな。」
やっと私と視線を合わせてくれた
エルヴィンは、小さく息を漏らし、
少し微笑んだようにも見えた。
「今君の目の前にいるエルヴィン・スミスは、
君を必要としている。
ずっと君が側に居て欲しいと思ってるよ。」
「……元の世界に連れて帰りたいと
思うくらいに?」
恐る恐る問いかけると、
エルヴィンが小さく吹き出す。
「なんだ。どうしてもそこにこだわるんだな。」
「当たり前でしょ。
あれだけ二人の世界へ行くことを
拒絶されてたんだから。」
思わず少し声を張った。