第31章 懐かしい人
「……おい。ミケじゃねぇか……」
同時に振り返ったリヴァイが
呟いた言葉で、目を丸くする。
今まで“彼”について
話したことはない筈だ。
「え、何で御食のこと知ってるの……?」
「……ここまでくると、
君の元へタイムスリップしたことが
必然的だったように思えて来るな……」
エルヴィンは凛の言葉を
聞いて書きかずか、
大きくため息を吐いた。
また似た人が二人の世界に
いたということか……
ここまで二人の身近な人物と
私の身近な人物が似ていると、
まるで私が二人を引き寄せたようにすら
思えてきた。
「それにしても、ミケなんて名前、
この世界では珍しくないか?」
「……名前じゃなくて、名字がミケなの。
この世界で言う“漢字”では、
神の供物って意味の字を書くんだけど……」
エルヴィンの問いに答えながら、
不意に視線を御食に移すと、
訝しげな表情が目に留まり、言葉を止めた。