第5章 知りたい世界
「これは、何と言う料理なんだ……?」
今日の昼に買い出していたもので、
簡単に作った料理を
エルヴィンは不思議そうに見つめる。
「そっちの世界にはないのかな……?
こっちが豚丼で、
こっちは中華風の春雨サラダ。」
「……ぶたどん、と、ちゅうかふうの……?」
エルヴィンはいきなり
片言のような話し方になり、
初めて聞いた言葉なのが、すぐに分かった。
「そっちの世界に、豚はいるの?」
「豚?いることにはいるが、
かなり貴重な家畜だな。」
……豚が貴重な家畜。
もしかしたらエルヴィンの住む世界は、
あまり食料事情が良くないのかもしれない。