第30章 求めているのは一つの作用
決意を固めた、その時。
「凛。」
視線の先のエルヴィンに
名前を呼ばれ、手招きされた。
リヴァイに軽く背中を押され、
エルヴィンの元へ駆け寄る。
エルヴィンの表情は、別段暗くも明るくもなく、
特に困惑している様子も見られない。
逆ナンされていた、
という予測事態が外れたのか?
そう思いながらエルヴィンの横に並ぶと、
ここが炎天下の砂浜の上だということを
忘れそうになる程の
冷え切った女性たちの視線が自分に集中した。
……やっぱりそうですよね。
私が逆ナン邪魔しちゃってる
感じですよね、すいません……
心の中で軽く謝りつつ、
行き場を失った視線をエルヴィンに向けた。