第30章 求めているのは一つの作用
「便所にでも行ってたことにしろよ。」
「そうだね……それしかないか」
「それとも、
エルヴィンはこのまま放置しとくか。」
納得しかけたところで
唐突な提案をされ、言葉を止めた。
……自分の上官に対する扱いが雑すぎる。
プライベートは別、といっても、
そこまで邪険な扱いをしなくても……
「エルヴィンは、あの胸が売りの女と
楽しめばいいんじゃねぇのか?
俺があいつのところに行って、
終わったら車に戻る様に言ってやるよ。」
「……いや、それもどうなの……?」
「あいつも新しい女を抱けるし、
悪い話じゃねぇだろ。」
少し俯いて、リヴァイの発案について
考えを巡らせる。
リヴァイの意見を、理解できない訳じゃない。
むしろそれが双方にとって、
いい決断なのかも知れない。