第19章 ●初体験
「……凛。
それはわざとなのか?」
それに気付いたであろうエルヴィンに
ため息交じりで問いかけられ
「……エルヴィンが、
そういうこと言うからでしょ……」
と、同じくため息交じりに言い返す。
「そういうこと?」
聞き返してくるという事は、
本当に自然にあんなことを
言ったという事だろう。
「……エルヴィンは天然の魔性だね……」
「……何の話だ?」
まるで言葉の意味を理解していない
エルヴィンの顔を見て、思わず笑みが零れる。
少し身体も落ち着いてきたから、
そろそろ反撃に出るとしよう。