第19章 ●初体験
「……良かった。
俺も、相当気持ちいいよ……」
エルヴィンの息も少し弾んでいるようで、
何処か安堵する。
気持ち良いのが自分だけなのは悲しい。
きっと私程の激しい快感を
味わうことはできないと思うが、
それでもエルヴィンにも、
私の中で感じてもらいたい。
エルヴィンのものが全て入りきった頃には、
何度も身体を重ねた後の様な
ぼんやりした快感の波に溺れ、
エルヴィンの首に回した腕にも
力が入らなくなる。
「凛。かなり辛そうだが、大丈夫か?」
「……んっ、大丈夫……では、ない。」
思わず正直に答えると、
エルヴィンが小さく吹き出した息が、
私の耳を撫でた。