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モブリットと妄想日記

第13章 雨音



そんな言葉が
理想論であることは
お互い知っている。


自分達が
いつどうなっても
おかしくないのも、



互いを
切り捨てざるを得ない瞬間が
くる可能性があるのも
わかっている。



けれど、
今欲しているのは
そんな現実ではなくて。



そんな、
夢のような、
ただの理想の言葉。




その理想論を
途切れさせなければ、


この雨のように
降らせ続ければ、


大地が潤って
きっと何かが生まれる。


何かが
形となって
そこに残るはず。



「さ、そろそろ準備しなきゃね。」


モブリットは
そう言って、
当たり前のように
軽く唇を重ねてきた。


「……モブリットって
そんなプレイボーイだったっけ。」




目覚めた時より、
雨の音が
嫌いじゃなくなっていた。
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