第14章 秀徳祭二日目
希美子「coffee…coffee…あっ、ここだ!」
希美子が、パンフレットから顔を上げた。
瑞穂「うわあ…。」
物凄く綺麗…。
窓の縁には、ツタが巻いてある(当然作り物)。看板は、入り口脇の小さなイーゼル。
白樺の木で縁取りをなし、これまたツタが巻いてある。
黒板の中心部には、白いチョークで書かれた店名。
モデルカフェ coffee
店内は、女子生徒でいっぱい。なかには男子もいて、接客の友達をからかいに来ているらしい。
希美子「さ、早く入ろう!」
希美子が、扉を開けた。
まだ心の準備がぁ…!
願い届かず入店。
「いらっしゃいませ!」
中は、本当に男子しかいなかった。女子は、食べ物を準備しているらしい。
10人はいるであろうイケメン男子が、一斉にこちらを見た。
その時、
「あれ?あの子、宮地の彼女じゃね?」
「え?うわ、マジで!?超可愛いんだけど!」
「おい宮地!お前の彼女、来てんぞ!」
華「瑞穂、すっかり有名人だね!」
瑞穂「うーん…」
なんて言ってたら、宮地先輩がスッと現れた。
宮地「瑞穂…。」
瑞穂「…。宮地先輩…!」
あの格好は、夏前に私の家でデートしたときの格好…!
…イケメンっぷりは、数ヶ月経っても変わらない。
「宮地、あれやってくれよ、あれ!」
宮地「…断る」
「お客様だぞ、その子は。彼女だからって照れるなよ!」
「照れんな照れんな!」
「名前でやってやれ!」
何のことかわからないけど、宮地先輩、他の人に冷やかされ顔真っ赤。
宮地「分かった、やりゃいーんだろ、やりゃ!」
少しためらう素振りを見せて、私に向き直った。
そして、フワリと笑った。
宮地「お帰りなさいませ、瑞穂様」
うわああああああああああああああ!!!
イケメン過ぎいいいいぃぃぃ!!!
普段の宮地先輩からは想像出来ない極上の笑み!
まさに天使の微笑み!
極上の声!天使の声!
神の微笑み!神の声!
全てが神だあああぁぁ!!
…今の私、顔真っ赤なんだろうな…。
宮地「…今のは忘れろぉ!」
瑞穂「絶対忘れません!今のは忘れられませんて!」
ギャーギャー騒いで…周りの人に引かれた。
でも、こんな時間が楽しかったりする。
いつまでも、こんな風に楽しく過ごしていたい。
でも、それは出来ない。
好きになった時から知ってた