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イナクナッテシマエバイイ…

第6章 村のショウタイ


今まで無言で歩いていた香李は、やがてゆっくりと口を開く。


「あのね、蓮。1つ言いたい事があるんだけど……。」

「んぁ?なんだよ?急に……。」


蓮は、足を止めて香李を見る。香李は、どこか戸惑いながらも話すのだった。


「あのね、これも友達から聞いた話だけど…。ある村で、変わった愛し方をするって言うの……。」

「変わった愛し方……だと?」


蓮は、目を細めて香李に質問する。香李は、頷いて一旦蓮から視線を外して、息を呑み込み真剣な瞳で、蓮を見るのだった。


「愛する人を殺して、永遠に一緒に居られるという考えをして、本当に殺してしまう。そんな、話を聞いたの…。他にもあるよ。」


香李の話では、監禁することによってずっと居られるという話を……。蓮は、徐々に顔を真っ青にさせた。そう、蓮自身もそういう経験を先程した。何故か頭の中で、閉じ込めてしまえば、ずっと居られるという思考を……。蓮は、息を呑み込み恐る恐る言う。


「なぁ…その思考、本で読んだ事あるぞ……。まさか……と思うが……。」


コクリと頷く香李。やがて、はっきりとした口調で話した。


「そうだね。この思考は………《ヤンデレ》だよ……。これは、あくまで友達の推測だけど、この村は《ヤンデレ》が集まった村じゃないかって、言ってた。」


そうこの村の正体は……ヤンデレだった。ヤンデレが集まる場所だったのだ。蓮は、目を見開いて驚いていた。無理もない話だ。更に、彼女から聞けばヤンデレの両親から生まれた子は、その子もヤンデレになると言われていた。


「ちょいと、待てよ。俺も《ヤンデレ》なのか?!確かに、それっぽい行動は起こしたが……。」
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