第4章 クルイ
─優稀─
此処から脱出しようとするが、やはり鎖は頑丈で、壊せない。壊せないということは、今の僕は無力だと言える。心の中では、焦りと怒りの感情でいっぱいだ。あとは、香李が心配で仕方なかった。
「………どうしたら……此処から出られる………?」
俺の掠れた声だけが、この空間に響く。その時、遠くの方からカツンカツン…という足音が、聞こえてきた。それも、段々と大きくなっていく。どうやら、こっちに近づいているみたいだった。
「だ、誰か居ませんか!?お願いです、助けて下さい!」
僕は足音からして、人だろうと判断して助けを求める為、声を張り上げる。やがて、その人を見たとき、僕は思わず驚愕をした。だって其処には……。
「え…………鈴欄?」
そう、其処には不気味な笑みを浮かべている鈴欄の姿があった。
「やっほー。目が覚めたみたいだね…。元気そうで何よりだよ。」
「これは………どういう事……?」
僕は、鈴欄に説明を求める。彼女は、ニコリと笑い言った。
「そのままの意味だよ。………此処にイレバ…私シカ見ナイ。私ダケシカ求メラレナイカラネ……。」
「っ!!??」
鈴欄の言葉に、僕の体中に鳥肌が立つ。とてつもない、恐怖を感じたのだ。
→鎖を解くように、説得をする。(48ページへ)
→事情を聞く。(50ページへ)