第13章 episode 12-2【アランとレオ】〜競争心理〜
ルリーは、恐る恐るドアノブに手を掛ける。
「お前、居るならちゃんと返事しろよ、心配すんだろ」
ドアを開けると、呆れた顔のアランが立っていた。
「ご、ごめんなさい…」
素直に謝ると、アランは少し優しい目をして頭をぽんぽんと撫でた。
「ルリーちゃん、俺のことも忘れないでね」
ドアの影から不意に声がして、レオが顔を見せる。
「あ……レオ…」
「久しぶりだね」
ルリーは恥ずかしさに、レオの顔を真面に見れない。
その2人の微妙な空気にアランは眉を寄せた。
「……お前ら、なんかあったのか」
唐突なアランの問いに、ルリーがビク…っと震える。
それを見て、レオが口を開いた。
「ルリーちゃんの為に言っとくけど……俺が、勝手にしたんだよ」
アランがレオを真っ直ぐに見る。
「……何をだよ」
「キス」