第11章 episode 11【レオ】〜秘密〜
レオはルリーを避けていた。
いや、厳密に言うと、機から見た限りは避けているのはわからないだろう。
軽いトークでルリーの頬を染める事は何時もの事で、その当たり障りのない会話からは、レオが避けているなんてことは周りには微塵も感じさせない。
でも、話が深くなりそうなると、レオは決まってルリーを口説いた。
それは、ルリーの口を塞ぐ一番手っ取り早い方法だったからだ。
「ルリーちゃん、今日は歴史のレッスンはやめて、恋のレッスンでもしようか」
「………っ」
相変わらず今日も執務室でレオの口唇からは軽い囁きが漏れている……