第5章 episode 4【ルイ】〜出会い〜
そんなルリーを静かに見つめながら、ジルは続ける。
「そこで、プリンセスのダンスの先生に、ある特別な方をお呼びしています」
「ハワード卿、こちらへ」
ジルにそう紹介され、一人の男性が入ってくる。
(なんて綺麗な方……)
ルリーは思わず挨拶も忘れ、その男の人に見惚れてしまう。
「よろしく………」
ハワード卿がぽつり、と挨拶をしたので、ルリーは、はっ、と我に返った。
「あ……よろしくお願いします、ハワード卿」
「ん…ルイでいい……」
またしても表情を変えずに、ぽつり、と呟いたルイに戸惑ってしまう。
(ルイはあまり、私と話したくないのかな……)
二人の間に微妙な空気が流れるのを、ジルが静かにに見つめている。
「それでは、ハワード卿、プリンセスを頼みます」
「えっ!」
「……………」