第21章 episode 16-3【アランEND】〜守りしもの〜
翌朝、城から派遣された捜索隊に無事発見された二人は、ようやく無事にシュタイン城まで到着した。
「ようこそプリンセス、シュタインへ。ゆっくりするといい」
シュタインの国王ゼノは二人を歓迎し、もてなした。
「しかし、大変な事が起こりましたね。」
ゼノに使える騎士アルバートがそう切り出した。
「まさか、プリンセスが失踪するなどと、前代未聞です」
眼鏡をくい、と上げながらアランの方を向き告げる。
「……今回の事は、俺の責任です」
アランは誤魔化すことなく、そう答えた。
「で、ですがこれは誰にも予測出来なかった事でっ…」
ルリーはアランの失態を庇おうと必死にアルバートに伝えた。
「そうですね、確かに誰にも予測は出来なかった。」
「しかし、その予測出来ないであろう事にも配慮して動く、これが誠の騎士、そうではありませんか?」
あまりにも正論過ぎるアルバートの回答に、ルリーもそれ以上何も言えなくなってしまった。
「よさないか、アルバート」
見兼ねたゼノがアルバートを窘めた。
「すまなった、アルバートは少し真面目すぎる面がある」
「あの状況で誰一人欠けること無く無事であった事も事実だ、ウィスタリアの騎士団は優秀であるとみえる」
そう付け加えると、ゼノはアルバートになにやら指示を出すと、失礼する、とその場を後にした。