第17章 episode 15-1【ルイとシド】〜二つの因果〜
翌朝、ルリーが重たい体をベッドから起こすと、既に朝日が眩しく室内に差し込んでいた。
(あまり眠れなかったな……)
ルリーは昨夜のことを思い出し、徐に口唇に触れてみた。
まだ口唇には微かにシドの温もりが残っているかの様に、甘い痺れが走る。
それを振り払うかの様に、ルリーは早々と身支度を始めた。
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朝はルイと一緒に朝食を取った。
「ルリー、昨日はよく眠れた?」
朝の光の下で微笑みをこちらに向けるルイは、何時もよりも美しく見える。
ルリーは何故かその純粋な瞳に映る自分が恥ずかしく感じ、“うん”とだけ短く答えると、ルイから顔を逸らしてしまった。
「…………。」
ルイはそんなルリーを少し見つめていたが、直ぐに、何事もなかった様に食事を進めた……