第15章 episode 13-2【ジルとユーリ】〜たかが愛〜
「……見ないでっ…」
あまりの羞恥心に、ルリーは耳まで赤く染めながら、そう言って視線を逸らした。
「ルリー、貴女は私の仕置の最中に他の男の事を考える余裕があるのですね」
ジルは妖艶に微笑んで、わざと意地悪く耳に囁く。
「……貴女以外にこんなにも私を焦がす人はいません」
「たとえそれが茨の道であろうと、貴女を想っています……」
そしてその後にも甘く蕩ける様な囁きを耳元で聞かせるのだった。
ルリーはその飴と鞭に何故か胸の奥がキュウ……と締め付けられ、苦しくなった。