第13章 episode 12-2【アランとレオ】〜競争心理〜
するとアランは、ぐいっ、と、ルリーの手首を掴みレオから引き離すと、ルリーを抱き締めた。
「またレオに変な事されそうになったら、直ぐに俺を呼べよ、わかったな?」
そう言い終わると同時に額に触れる様なキスをした……
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二人が去った後の部屋で、ルリーはまだ呆然としていた。
まだ心臓は早鐘の様に煩く鳴っている。
(レオの事で悩んでいたはずなのに……まさかアランからもこんな事……)
既に茜色の美しい夕陽が射し込んでくる静寂の部屋の中、ただ耳と額だけが熱く熱を帯びていた……