第13章 episode 12-2【アランとレオ】〜競争心理〜
「うん……」
ルリーは泣いてしまった事が恥ずかしくなり、まだ俯いたままだ。
「顔、上げろよ……」
アランに顎をくい…、と上げられて、アランの顔が目の前に表れる。
アランは目を細めながら、今日一番の優しい瞳でルリーを見つめていた。
「ルリー、俺はお前が誰を好きでもかまわねぇよ。けど、近いうちに絶対振り向かせる自信あるからな」
それは、今のアランに出来る精一杯の告白だった。
みるみるルリーの頬が耳まで赤くなっていく……
「お前、顔赤すぎ」
アランはルリーをそうからかうと、クス…っと笑った。
「……ふーん、俺の前でよくそんな事出来たね」
はっ、とアランがレオを見ると、レオはさも楽しい、といった様に笑みを浮かべていた。
「言っておくけど、アランも顔赤いよ?」
「……っ!少し黙れよ」
そんな二人を見て、ルリーは穏やかに微笑んだ。
「!!」
「!!」