第2章 episode 1【アラン】〜出会い〜
広間を背中に、ルリーはある場所を探していた。
(確か、白い花があるのは中庭なはず…)
しかし、中庭に出る方法がわからない。
キョロキョロ廊下を見渡していると、
「おい、曲者」
後ろから不意に声をかけられ、心臓がドキリ、と跳ねた。
「お前、またウロウロしてるのか」
そこに居たのは、先程入り口で助けてもらった、あの騎士だった。
「あ……」
「ルリーだったよな?お前さっきからウロウロしすぎ」
少し呆れた様な表情の彼は、ふっ…と笑いながらルリーに話しかけた。
その緩やかな表情に少しドギマギしながら、ルリーも答える。
「あの、先程はありがとうございました。」
「ああ、どんだけどんくせぇ曲者かと思ったけどな」
「なっ……!!」
余りにも、見かけとは似つかない口の悪さに、ルリーは唖然とした。