第5章 ~貴方の存在自体が欲しかった~
何時からだろう
何時から俺の心は、余裕が無くなったのだろうか
否、違う
本当は、分かって居た
あの時だ
あの時から、俺の心は壊れ始めたのはー・・・
まだ俺が、自我を保って居た時の話だ。
俺は正直、色恋沙汰など、微塵も興味が無かった。
俺が愛想善くすれば、女が挙って寄って来る。
女は只の、性欲破棄の道具としか見て無かった。
打が、貴方は違った。
初めて貴方に会った時に感じた感情。
穢れの無い『純粋な情』
俺が持って居ないモノを、貴方は持って居た。
そして、次第に沸き上がった感情。
『・・・俺は、穢れて居る』
打が、それ以上に
『貴方を・・・手に入れたい』
と、感じた。