第2章 癒しの「緑」
「今、何ていったの?」
彼女の言葉はズシリと奏人に乗っかった。
あの声が聞こえていないはずがない。
「ごめん、きこえなかっ――」
バタッと美唯が倒れた。
「美唯・・・?」
奏人の呼びかけにも応じない。
「美唯!美唯!!」
叫んでも、揺すっても彼女はぐったりとしたままだ。
______________数分後________________
保健室に連れて来られた美唯はようやく目を覚ました。
「っん・・・?」
「美唯!」
奏人は少し安心した。
「何で、こんなところに・・・?」
「そ、それはー」
僕が告白した後にあなたが倒れてしまいました。
なんて、口が裂けてもいえない。
「音楽室で、急に倒れて――」
(ま、間違ってないよね?)
奏人は何とか誤魔化した。
「そうなんだ・・・。」
少し悲しそうな顔をして納得した。
奏人は、その返事に疑問を感じた。
「何も覚えてないの?」
そう質問した。
美唯は不思議そうな顔をして言ったのだった。
「何のこと?」