• テキストサイズ

FLESH!!

第2章 癒しの「緑」


~♪

どこかからきれいな歌声が聞こえてきた。

「この声・・・」

「音楽室から―?」

そっと、音楽室を覗くと一人の少年が空を見上げながら歌っていた。


彼の名は一条<イチジョウ>奏人<カナト>

奇跡の歌声の持ち主だ。

彼の歌声には誰もが聞き惚れる。

曇っていたココロが快晴に変わってしまうくらいの

癒しの歌。

「覗き見はダメだよ、美唯。」

彼は突然そういった。

どうやら、バレていたらしい。

美唯はガチャっとドアを開けた。

「絶対来ると思ってた。」

奏人は探偵のようにいった。

「どうしてわかったの?」

「僕の勘。」

「本当は?」

「足音。」

美唯はクスッと笑っていった。

「だと思った。」

奏人は絶対音感の持ち主で、記憶力も良い。

人の足音まで覚えているくらい。

「あのさ、」

「?」

「実は、美唯に言いたいことがあって・・・」

「え!?何かしたっけー?」

「い、いや。違うんだ。そうじゃなくて。その―」

奏人はなかなか言い出そうとしない。

「大丈夫、勝手に宿題写したって言っても怒らないから。」

美唯が励ましの言葉を述べた。

「そうじゃなくて―」

「じゃーなに?」

「スキデス・・・」

蚊の鳴くような声でいった。

「え?今何て?」

「み、美唯のことが好きですっっっ!!」

奏人の大きな声に美唯は完全に固まっている。

「・・・」

二人の間に重い空気が流れる。

「・・・い」

ようやく美唯が口を開いた。

だが、その言葉はあまりにも残酷すぎた。





























「今なんていったの?」
/ 10ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp