第12章 12
『じゃあ、トランプでもやる?』
「賛成!ババ抜きやろーぜ!」
「やるやるー!」
「盛り上がりそうだしな。やるか!」
こうして始まったババ抜きは予想以上に白熱していた。
「だぁーーーー!またかよーー!」
「悠斗くん、弱すぎーー!」
「次また悠斗が負けたら今度は罰ゲームな!」
「まじかよ!?ぜってぇ負けねえ!」
「よし、みんなではめてやろうぜ!」
ノリノリの4人の中で翔だけが楽しくなさそうにしていた。
それにいち早く気づいたのはやはり瑞希だった。
『どうしたの?翔くん?』
「んー・・・いや、何でもない」
その場に悪い空気が流れる。
「いや!まじで何もないから!
さっさとやろうぜ!」
「あ、あぁ!」
悠斗はあいまいに返事をし、トランプを配った。
こうして始まった罰ゲームありババ抜きは
1位 瑞希
2位 翔
まで決まり、今は奈央・圭・悠斗が戦っている。
「なぁ瑞希…トイレどこにある?」
『あ、翔くん。えっとちょっと分かりにくいとこにあるから案内するね』
「ありがとな…。」
『じゃあ行こっか!』
こうして2人はトランプに白熱している
3人を置いて部屋を出て行った。
『ねぇ翔くん?最近元気ないけど大丈夫?』
「あ、そうか?なんか心配かけてゴメンな!
何でもないから大丈夫だ!」
『そう?何かあったらすぐ話してね!
あたしでよければ相談にのるからね♪』
「ありがとな!」
『あ、トイレここね!
じゃあ、あたし先に上がってるね』