アルカナファミリア~あなたのprincipessa~
第2章 昔のおはなし
第1話 ハジマリの昔話
「スミレ!久しぶりだね。元気してた?」
「ええ。貴女こそ、元気そうで何よりだわ。」
スミレと二人でこうして話すのも懐かしい。日本に居たとき以来だ。
「こっちでの生活はどう?」
「そうね・・・。慣れない事もあるけど、楽しいわよ。」
そう言って笑うスミレは、以前より綺麗に見えた。
「そっか。それならいいよ。あ、そうそうフェリチータちゃんはどう?」
私が聞くと、スミレは少し困った様に笑った。
「元気過ぎて困るぐらいよ。それに、最近ルカが甘やかしてしまって・・・。」
「あはは!スミレも苦労してるね!うちの子なんて人見知りが激しくて困るよ。いったい誰に似たんだか。」
噂をすれば、今話題になっていた私達の娘二人が仲良く遊んでいる姿が見えた。
「でも、姫雛もフェリチータちゃんには良くなついてるから良かった。あとノヴァくんにも。」
「ふふ。フェリチータとノヴァも友達が増えて嬉しそうだわ。」
私達は、顔を見合わせて笑った。
「本当はまだレガーロに居たいけど、また日本に戻る事になりそう。」
「もしかして、まだ・・・ー」
「あっ!心配しないで!大丈夫大丈夫。きっと次に来る時はピンピンしてるよ!」
「・・・そう。でもあまり無理しないで。困った事があったら、絶対に相談するのよ。良いわね?」
「もちろん!頼りにしてるよ~!さてと、そろそろ帰らないと。じゃあ、またね。」
スミレはまだ何か言いたそうな顔をしていたけど、逃げる様にその場を離れた。
正直、スミレやモンドさんには迷惑をかけたくない。
娘に「帰るよ。」と声をかけると、フェリチータちゃんに「また遊ぼうね!」と言って、笑顔でこちらにかけて来た。
こんな日々が、ずっと続きますように。