第4章 責務
なにそれ?
「ねぇ…今、俺に酷くされたのわかってる?」
理解していないような顔をする
「命令されて、押さえ込まれて、配慮もされずねじ込まれて……」
ベッドをポンポン叩いてもっと近くにきてと言う
わざと離れているのに……
「はぁぁぁぁ」
身体を寄せるとのろのろと腿の上に頭を乗せうなだれた顔を見上げてくる
「くくくっ」
おかしそうに笑って俺の身体をトントンしながら『怖かった?』と聞いてくる
「は?怖かったのは〇〇〇でしょ?あんな扱いされて…」
自分がしたことの冷酷さに胸がギュッとする
「…怖くなかったよ?…悟は怖かった?」
だからなに言ってんだよっ‼︎
「怒ってんだよっ‼︎〇〇〇の無防備さにっ
汚いヤツに汚い手で汚いモノをねじ込まれたら?24時間365日側にいてやれない、すぐに駆けつけてやれないんだっ」
まっすぐ見つめて重ねて言ってくる
「悟…怖かった?」
伝わらないのか……
「………。」
「悟は怒ったんじゃないと思う
私が傷つけられるかも…
私が奪われてしまうかも…
私を失ってしまうかも…
って怖かったんじゃないかなぁと思った」
「なんだよ、それ…」
「怖くはなかったけど…
息が苦しい
意識を手放してしまおうか
黒い感情に飲み込まれてしまおうか
今、私を抱いているのは誰?
私の大好きな悟はどこ?
澄んだ美しい瞳で見つめてくれる悟はどこ?って思ってた。
意識を手放さなくてよかった、へへっ」
意識を飛ばしてたら悟はきっとわたしの身体をキレイにして、身なりを整えて、枕元に水を置いて、布団をかけて『ごめん…』ってメモを残してどこかへ行ってしまうでしょう?そうしたら怒ってたんじゃなくて怖かったんじゃない?って教えてあげられなかったしお水も飲ませてもらえなかったと甘えるように笑って言う
口をぱくぱくして水を求められる
口移しで水を与えてやる
嚥下して眉間にシワを寄せた〇〇〇 が
「まっずっ、ぬっるっ」
「ぶっっ、待ってて、冷えてるの持ってくる」
清も濁も丸ごと全部呑み込みやがった…
どんだけ器がデカいんだよ…
どんだけ愛が深いんだよ…
ずぶ濡れになった〇〇〇は引き金になっただけ
☆☆☆のこと、〇〇〇を手放さなければならないこと、抱え込んでいた不安と恐れを〇〇〇にぶつけてしまった…
ごめん……不甲斐ない