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短編

第2章 虎杖悠仁


【明日も君と笑えますように】※中学生の虎杖


放課後、校門を出た途端、ぽつぽつと雨が降り始めた。

「うわ、マジか!傘持ってる?」

「持ってない」

「俺も!」

2人で屋根の下へ駆け込むと、虎杖が鞄を探り始めた。

「あ、あった!」

取り出したのは小さな折り畳み傘。

「これなら一緒に入れる。たぶん!」

「たぶん?」

「まあ、なんとかなるって!」

傘を開いて歩き出す。けれど、2人で入るには少し狭い。自然と肩が触れ合った。

「…近いね」

「だって傘ちっちゃいし!」

そう言った虎杖の耳が、ほんのり赤い。

「悠仁、照れてる?」

「照れてねーって!」

「耳、赤いよ」

「…雨のせい!」

「雨?」

「そう!たぶん!」

思わず笑うと、虎杖もつられて笑った。しばらく歩くと、虎杖が傘をこちらへ傾けていることに気づく。

「悠仁、そっち濡れてるよ」

「俺は平気!」

「でも…」

「じゃあ半分こ!」

そう言って傘を真ん中に戻す。肩がまた触れる。今度は、どちらも離れなかった。やがて雨が弱くなる。

「もう止みそうだな」

「うん」

「…そっか」

虎杖が少し残念そうに呟く。

「もしかして、まだ雨降っててほしかった?」

「えっ!?いや、その…」

虎杖は頬をかきながら笑った。

「…もうちょっと一緒にいたかっただけ。って、俺なに言ってんだ!」

顔を真っ赤にする虎杖。雨が止み、傘を閉じたところで、虎杖が突然立ち止まった。

「なあ」

「どうしたの?」

「俺、言いたいことある」

少し緊張した顔で、こちらを見る。

「俺さ、ロロといるとすげー楽しいんだ。もっと一緒にいたいって思う」

一度、照れくさそうに目を逸らす。

「だから、俺、ロロのことが好きだ」

「…悠仁」

「返事、急がなくてもー」

「私も好き」

「…え?」

虎杖が目を丸くする。

「ほんと?」

「うん」

「…っしゃあ!」

満面の笑顔になったあと、急に恥ずかしそうに俯く。

「やば。めっちゃ嬉しい」

「ふふっ」

「笑うなって!」

そう言いながら、虎杖も笑った。

「じゃあさ、明日も一緒に帰ろうぜ」

「うん」

「明後日も!」

「もちろん」

「毎日な!」

夕焼けの帰り道。昨日より少し近くなった2人の距離を、虎杖は嬉しそうに笑っていた。
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