第7章 約束の結末
御幸side
「あー!キャップ!どこ行ってたんすか!?」
寮に着くや否やうるさいやつに見つかった。
「おー沢村。早ぇな」
「沢村くん、おはよう。ごめんね、朝一でやりたいことあったから、御幸借りてた」
「借りてたって、俺は物かよ」
「そうだったんすね!じゃあキャッチボール付き合ってください!」
俺のツッコミは無視され、
沢村のペースでキャッチボールに付き合わされた。
「よっしゃあ!いきますよ!」
無駄に元気な声にミットを構える。
――パシュッ
「ナイスピッチ、次カットボール」
沢村の調子を確認するかのように次々投げさせる。
時折、意識がユキのテーピングへ向く
違和感がないわけじゃない。
けど、
昨日より遥かにマシだった。
「そろそろ皆準備始めるし、切り上げたら?」
監視役から声がかかる。
「それもそうだな」
そう言ってゆっくり立ち上がる。
「もう終わりっすか!?」
「あぁ」
短く返したあと、一呼吸置いて続けた。
「今日のお前、悪くねぇよ」
「……!」
その瞬間
沢村の目が大きく見開かれた。
「泣いても笑っても今日で全て決まるんだ」
……今日をなんとか持ちこたえる。
「ビビんなよ」
「はい!!」
返ってきた返事は
これまでよりもとても強く、頼もしいものだった。
夢主side
御幸と沢村くんに練習を切り上げさせた後、
私は二人と別行動をし、倉持くんを探した。
「あ、いたいた!」
「ん?おー、前原。はよ」
素振り終わりの倉持くんを呼び止める。
「御幸の事、よろしくね」
私は、それ以上の言葉は口にしなかった。
その代わりに、真っ直ぐ倉持くんの目を見る。
……私のできる限りのことはやった。
それでも、あいつは無理をするから――
「おう。任された」
私の目を見た倉持くんは静かに察してくれた様だった。
決勝当日。この独特な空気感に
皆の集中力も自然と高まっていた。