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まだここにいる【ワンピース サンジ】

第15章 冬島


鐘の音が、二度目に響く。

ゴォン――

低く重い音が、雪の町全体を震わせた。

今まで止まっていた住民たちが、一斉に動き出す。

でも様子がおかしい

歩いている。

なのに誰も周りを見ていない。

同じ方向へ、吸い寄せられるみたいに進んでいく。

ウソップの声が裏返る

「うわぁ!?なんだなんだなんだ!!」

チョッパーも青ざめる。

「こ、こわいこわい!!」

みかの横を、住民の一人が通り過ぎる。

肩がぶつかるくらい近い。

でも、まるで存在に気づいていない。

サンジがみかの手首を引く。

「離れんな」

低い声

ルフィだけは周りを見回していた。

「どこ行くんだあいつら!」

誰も答えない

ただ、雪の奥へ。

鐘の鳴った方へ。

その時

人混みの奥に、さっきの人影が見えた。


今度ははっきりと、こちらを見ている。


そして、小さく口が動いた。


「逃げろ」


住民たちの足が、一斉に止まる。



静寂



ゆっくり。

本当にゆっくりと。

住民たちの顔が、こちらへ向いた。
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