【ヒロアカ】名前のない関係の終わらせ方【爆豪勝己】
第3章 0
飯田の乾杯のスピーチが終わり、パーティが始まる。
物間が用意したイベントもあるようだが、透は巻き込まれないように、昔の恩師たちと挨拶を交わしていた。
立食形式で食べ物をお酒を飲みながら、先生や同級生達と話に花を咲かせる。
会場は賑わいに包まれていた。あちこちで笑い声が弾け、料理の皿が次々と空になっていく。
相澤は教え子たちに囲まれながらも、包帯の隙間から覗く目がどこか喜びと懐かしさで滲んでいた。山田ひざし——プレゼント・マイクがステージ横でBGMの選曲に口を出し、青山優雅がフォアグラのテリーヌを前に「美しい……」と呟いて切り分けのナイフを止めていた。
不意に轟が横から現れ、皿にローストビーフを三枚重ねた状態で立ち止まった。
「 ……透。久しぶりだな。」
轟のオッドアイがまっすぐ透を見下ろす。
高校の時からさらに伸びた長身から落とされる視線には妙な圧があるが、本人に威圧の自覚は一切ない。
「あ、轟くん…」
透はシーザーサラダを頬張りながら轟を見上げる。
一瞬、透が頬張る姿を見て瞬きした。それからわずかに目を細める。
「……よく食べるな。」
轟なりの褒め言葉だったのかもしれないが、表情が乏しすぎて判別がつかない。左手でローストビーフの皿を抱え直しながら、右手でポケットから何かを探り出した。
「これ。姉さんから。同窓会があるって話したら、皆に渡してくれって。」
差し出されたのは小洒落た包装の焼き菓子の詰め合わせだった。
「冬美」と丁寧な筆文字で書かれたメッセージカードが添えてある。
緑谷が通りがかりに足を止めて目を輝かせる。
「わあ、冬美さんから!轟くん、いつもありがとう!」
「燈矢兄の件で迷惑かけたからな。」
緑谷にも一つ渡しつつ、また透の方を向いた。
「透、最近の現場ってどんな感じだ。海の近くとかだと、お前の能力が重宝されるって聞くけど。」