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かるら怪談

第50章 鉄箸の呪い


3回ほど任意同行をかけたが、有用な証言も証拠も結局引き出せなかった。

「ただ、話を聞けば聞くほど、Tは人を人とも思わない、とんでもない奴だってことだけがわかったんだ」

Tの取り調べでの発言はひどいものだった。亡くなった被害者の尊厳を踏みにじるような発言をしたり、遺族をバカにするようなことも平気で言ってのけた。

「さすがの温情派のHさんも、だいぶ頭にきていたようだったな」

今回の事件の被害者の話も聴いていたHさんは、取調べ中、珍しく感情的になりそうになっていたという。もちろんベテラン刑事なだけあって、大声を出すなどはしなかったが、取り調べが終わったあと、一人更衣室の壁を殴りつけていたりはしたようだった。

「そして、もう取調べで聞くことがなくなったとき、それがわかったのか、Tが不敵に笑いながら、こんな話をしはじめやがったんだ」
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