第53章 陰謀詭計(いんぼうきけい)
宙空に淡いオレンジ色の光が渦を巻いていた。その渦ははるか上方まで続き、左右も見渡す限り続いている。ちょうど、越えようとした山の頂上付近に、俺達の進行を邪魔する形で張られていた。
術式のことは正直わからないが、今の状況からして、これが陰陽寮の人間の仕業であることはすぐに分かった。足玉の力を共鳴させ、後ろの方の気配を探る。
・・・ちっ!・・・もう、すぐ傍まで奴らは来てやがる・・・。
意識を集中すると、五感とは別に霊力を探査する『第六の知覚』とも言えるもので、付近の霊的なものをある程度補足することができる。これは神宝を使うことによって生じる、一種の副作用のような効果だが、なかなかに便利だ。
この霊力知覚能力は、同じ神宝使いでも個人差が有り、俺は割と優秀だが、シラクモはてんでダメだった。
その『第六の知覚』である探査知覚が俺に知らせていた。どういう方法か知らないが、すぐ後ろまで陰陽師たちが来ていること、そして、自分らが壁際に追い込まれ、絶体絶命であることを・・・。