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天狐あやかし秘譚

第36章 正真正銘(しょうしんしょうめい)


「ただ、彼の場合、元々が金気の術を得意としていますので、あまり水の術式が得意ではなかった・・・。まあ、それでそれほど威力が出なかったので、負けちゃいましたけどね」

ああ・・・たしかにふっとばされていたな。

「陰陽師はそれぞれの体質や、ついた師匠などにより、得意な術式が決まってきます。例えば、御九里さんや敷島さんは金気、祭部衆の責任者である大鹿島さんは火気、この間一緒に戦った左前さんは本来は水気の術を得意とします。あとは・・・そうですね、祭部の宝生前さんは土気の術を使いますね」

その後、五行それぞれの術の特徴を教えてくれた。その中で確か土の術式のときに・・・。

「土は万物の保護や育成などを司ります。身体部位としては、胃や脾臓、それから思考活動も範疇に入ります。また、そもそも火が燃えて土となることから、死や恨みのようなものも支配します。なので、土の術式は結界や保護などに適していますし、うまく使えば死んだ人の思考を読み取ることもできます。イタコみたいなものですね」

ニッコリと瀬良が笑った。
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