第15章 福善禍淫(ふくぜんかいん)
一人は黒っぽい中折れ帽を被り、これまた黒に近いグレーのスーツを着た50代くらいのスラッとした男性、もう一人はもう少し年がいっていると思われるずんぐりとした男性だ。こちらの男性はくたびれたカーキのスーツを着ている。
声をかけてきたのはスラッとの方。
「わたくし、こういうものです」
出された名刺にあったのは、「警視庁捜査一第課第十三班」の文字。
「喜島平八といいます。こっちは赤城班長。今回の一連の事件の捜査指揮を取っています。よろしくお願いします」
スラッとさん改め喜島さんが丁寧に挨拶をする傍ら、ずいっと、ずんぐり改め赤城さんが出張ってくる。
「お二人・・・には、事件の重要参考人としてお話を伺いたく存じます」
ギラリと、赤城は私とダリをにらみつけた。
え?重要参考人・・・て?
テレビのドラマとかでよく聞くけど・・・それって・・・それって・・・
『容疑者』ってこと・・・ですか?