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天狐あやかし秘譚

第88章 動如雷霆(どうじょらいてい)


☆☆☆
「うん、わかった・・・わかったよ。ああ・・・いいよそんなこと。別に怒ってないよ」

ぷち、と緋紅はスマホの通話を切った。

仄暗い十畳ほどの和室。周囲に掛けられたろうそくの炎がゆらいで、その妖しさをいっそう引き立てていた。いつもなら、自分の前にいるはずの二人の巫女、スクセとキヌギヌはいなかった。

ああ・・・いなきゃいないで、張り合いがないなあ。

そんなふうに思う。ひとりは10時間近く異形の怪物『ヤギョウ』に犯され続け、そのダメージが未回復につき、療養室で寝ていた。もうひとりは、現在、そのヤギョウの肉棒に貫かれて地獄のような天国にいるところだった。

あの二人は、面白い人形だよ。
帰ってきたら、思いっきりかわいがってあげよう。

ただ・・・その前に。
計画を進めるために最低限の仕事はしなくちゃね。

「ああ、本当に、ボクは・・・働き者だなあ」

脇に置かれた箱からひとつ勾玉を取り出す。
手にコロンと乗った玉は黒と緑の複雑な文様がうねうねと動き回っていた。

その玉を握りしめると、緋紅の目の前の空間が、縦に裂けた。
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