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ネコの運ぶ夢

第13章 家につくネコ


〜Why do cats stay at home?〜

「この度はお忙しいところ、お時間を頂戴し、ありがとうございました」
名刺交換をしたあと、俺は深々と頭を下げる。相手は中条財閥現当主である中条京介だ。俺が今いるのは中条本家の応接室。一方の壁には立派な絵画が数枚飾られており、対面の壁にはお高そうな壺やら工芸品が数点飾られている。

中央に低めのテーブルがある。奥の窓際には大きなソファが据えられており、そこに中条京介が鎮座している。俺はといえば、その対面の客用のソファにかなり小さくなって座っている状態だ。

この応接室だけで、俺のアパートの部屋全部入っちまうな。

「いやいや・・・このようなお話をいただけるなぞ光栄ですな。」
さすが、余裕の貫禄だ。鷹揚に構えている。年は俺と同じくらいか、少し上といったところか。美容に金かけているのか、肌艶はとても良い。

「この度、当局において一般市民向けに『観光産業と環境問題』をテーマに公開講座を開こうとしていたのですが、いざ、その講師としてお願いしていた大学の教授が海外の学会発表の予定を入れてしまい、困っていたところだったのです。それで、藁にもすがる思いで、そういった事業を展開されているとお聞きして、お声がけをさせていただいたわけです」

そう、俺は役職を利用して、中条家に市民公開講座の話を持ちかけるという名目で声をかけたのだ。中条の家は政治にも興味があるということだ。市民講座等には食いついてくるかもと思ったが、案の定だ。まさか当主に会えるとは思わなかったが・・・。

「そういった問題でしたら、うちの京子が詳しいかも知れませんな。せっかくのお話ですので、なにかご協力させていただければと思います。ああ、そうだ、スポンサーとしてでも良ければ、私の方からも少しご寄付をさせていただければ」
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