第3章 はじめましての訓練
公安の高天井施設は、空を飛ぶ訓練を想定して造られている。
白い壁、巨大なファン、空気の循環装置。
ホークスが先にふわりと浮かび、
に手を伸ばした。
「怖かったら掴め。」
「……うん。」
はそっとホークスの手を取る。
その瞬間、背中の翼が小さく震えた。
「羽根、ゆっくり動かしてみ。……そう。」
ホークスが丁寧に角度を教え、
羽ばたきの力を確認し、
空気を掴む感覚を一つひとつ伝えていく。
「——ホークス、飛んでる……!」
「おう。すげぇじゃん、お前。」
はふわっと足が床を離れ、
数センチの高さで宙に浮いた。
「わ、わ、わぁぁ!!」
「落ち着けって!」
ホークスは慌てての腰を支える。
そのまま、お姫さま抱っこみたいな姿勢になってしまい——
は真っ赤に。
「ち、ちがっ……これは……!」
「はいはい。照れるなよ、かわいいって。」
「かわいくない!!」
反射的に翼がバサッと大きく開き、
ホークスの顔に羽根が直撃した。
「ぶっ……!羽根アタックすんなよ!」
「だってホークスが変なこと言うから!」
二人の声が訓練場に響き、
職員たちはガラス越しに微笑ましそうに見守った。