第44章 小ネタ/ツキノ寮にて、梨音と翔
Side梨音
寝付けない夜は自分で淹れた紅茶を飲んでリラックスする。味は月麦の方がずっと美味しいけど。
梨音「…ふぅ。」
今は12月。1年の最後の月。
始まりはあの日の5月。フリーランスで活動していたボクと月麦は翔達と出会い、仲良くなり…その後、翔達の懇願と社長の強い勧めもあり、ボク達はツキプロに入社して、翔達の専属となり、月麦も椿ちゃん達の専属を兼任する事になった。その後、あいみぃとラコちゃんもスタイリストとしてツキプロに入社して、隼さんと孝明さん達の専属となった。
そして、いろんな出来事が有り、今に至る。
梨音「早いもんだなぁ。」
翔「何が?」
梨音「うわ!?翔!?」
気付いたら後ろに翔がいた。
翔「ごめんね。驚かしてしまったね。」
梨音「こっちこそごめん!起こしちゃったかな?」
今更言うが、ボクは翔達ロクダンメンバーの部屋をローテーションで暮らしている。今夜は翔の部屋で寝ていた。
翔「ううん。大丈夫だよ。」
梨音「良かった…。」
翔「…梨音は、眠れないのかな?」
梨音「うん、なんか寝付けなくって。」
翔「…そう。その紅茶は、自分で淹れたのかな?」
梨音「うん。味は月麦には劣るけど。」
翔「月麦は紅茶を淹れるのが本当に上手だからね。でも、梨音はその分、料理やお菓子作りが上手でしょ?」
梨音「あはは…そこは絶対の自信があるかな?」
翔「…どんな人間にも、他にも人には絶対に負けない特技はあるものだよ。」
梨音「うん、翔の言う通りだね。不思議と翔の言う事には凄い説得力があるから。」
翔「そう、かな?」
梨音「うん。そうだよ。流石ロクダンのリーダー。頼りにしてるよ。」
翔「ふふっ、ありがとう。」
梨音「…あのね、ボクは翔達と出会えてとても良かったって思ってる。あの日からずっと。」
翔「それは、ボクも…ううん、ボク達も同じだよ。ボク達を輝かせ、ボク達の輝きをみんなに伝え、ボク達の輝きを未来に残せるのはキミだけ。あの日から決まっていたんだ。」
梨音「翔…ふふっ、ありがとう。」
その時、ボクは欠伸をした。
翔「そろそろ、おねむかな?部屋に戻ろうか。」
梨音「そうだね…。」
ボクは翔に優しく支えられながら部屋に戻った。