第48章 君の感触〜時透無一郎【R強強】
あれから二人は眠ってしまった…。スズメの鳴き声が聞こえてきた頃無一郎は、目を覚ました。
隣には、何も身に着けていないゆきがすやすやと眠っていた。
明るい場所で見るゆきの体は、光を浴びなおも白く清らかで美しかった。
無一郎は、身支度をした…。途中で、ゆきは目を覚ました。
何も身に着けていない事を、ゆきは忘れているようで僕の方を見て
「おはよう…」
とかわいい笑顔を向けてきた。綺麗に整った胸が朝の光に照らされてまた僕のものを、熱くした…。
「ゆき…早く隊服着てくれないかな?またしたくなっちゃうから…」
無一郎のその言葉を聞いて自分が何も身に着けていない事に気が付いた。
それから気のせいかもだけど朝は、なんだか急かされるようにして無一郎に屋敷を出されたように感じた…。
朝のお稽古までには、屋敷に戻って来れた。急いで道場に行くと義勇と数名の隊士達がいた。
あれ?今日は師範、隊士達にもお稽古つけるのかな?
考えながらすぐに、隊士達の隣に並んだ。
義勇の顔を見て頭を下げようとしたが、すぐに目を逸らされた。
気のせいかな?とその時は流したが、気のせいでは無かった。
隊士達は、五人いた。二人は女性で自分より年上だったあと三人は男性で、同じ十九だった。
休憩時間は、義勇の周りにその女性二人が張り付き入る隙が無いほどだった。
代わりに男性の隊士が仲良くしてくれた。
「柱ってかっこいいよなぁやっぱり」
「継子になれてゆきは幸せだよなー」
そんな会話をしながらも二人の隊士に囲まれている義勇をゆきは、ぼーっと見ていた。
ふとこちらを見た義勇と目が合った。朝挨拶をし損ねていたので義勇の元に行こうとした…
すぐに、目を逸らされた。
「え?避けられてるの?」
稽古を付けてもらう時も、義勇はその女性の隊士二人に付きっきりでゆきの元へは一度も来なかった。
稽古が終わりそこで、その五人が当分この屋敷で寝泊まりして稽古をすると言う事を、男性の隊士から聞かされた。
夕食までの空き時間、台所に手伝をしに行くのを辞めた。
今日義勇に、一度も挨拶もしていないし、昨日の外泊を謝る事すら出来ていないので義勇の元へ向かった。